騎士団長殺し
村上春樹さんの話題の書き下ろし長編、「騎士団長殺し」を読みました。
適切な量の洗練された比喩表現、寓話を用いた暗喩、流れるような文体はあいかわらずで、騎士団長の言葉使いなどはもはや円熟の技ですよね。(いったい英語ではどういう風に訳すのだろう)
今や新作を一早く読めるのは日本人の大きな特権ではないでしょうか。
村上さんは以前からインタビューで「総合小説を書きたい」と言っていますが、新作も重層感があり、読み手の視点によっていかようにも変わる多義的な小説でした。本来、純文学ってそういうものであるべきでしょうが・・。
それと田崎つくるの時もちょっと感じたのですが、このところなんか、少し「あったか~い」感じがします。救いというか・・ 数々の震災の影響があるのでしょうか。
速く読んでしまうのはもったいないのでじっくり時間をかけて楽しんだのですが、早く次回作を!!
騎士団長殺し 第1部+第2部 2冊セット [ 村上春樹 ]
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