雨風食堂日記【甘味処 川越 あかりや店主の日々雑感】

2009年2月24日(火)

アカデミー賞と作品の価値


「おくりびと」、ノミネーションはある程度予想していましたが、外国語映画賞をホントに受賞してしまいましたねー。

あらためて映画の良し悪しは脚本だなぁと感じると同時に、みんなで良い仕事をしてこういう良質な映画を作り上げ、いわゆる鳴り物入りでなく口コミで評価が高まってくる体験を共有できる関係者がうらやましいなぁと思いました。

考えてみればアカデミー賞は文学賞などと違って、「受賞作品なし」とか「複数作品による同時受賞」というのがまず無いわけですし、外国語映画賞などは一国一作品、アニメーションも同枠で評価することを考えると純粋に作品の価値を見極めているかというとあいまいですよね~。

逆に考えるとノミネーションされるということだけで価値があるわけで、受賞しようがしまいが作品の真価は変わらず、他のノミネーションも同等に価値がある作品ということ。あえて言えば受賞した「おくりびと」はビジネス的に大きな付加価値が加わるということですよね。

レビューを見て気になっていた「スラムドッグ$ミリオネア」が作品賞に選ばれたので、早速4月になったら観に行こうと思います。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 1:28:07
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2009年2月18日(水)

村上春樹さんのエルサレム賞スピーチ


村上春樹さんのエルサレム賞受賞のスピーチ文を読みました。

受賞が決まったときに、パレスチナ問題を考える団体などから受賞拒否を求める声明が出されるなど賛否両論が繰り広げられ、日ごろから「両極端に断定的にモノを言うことを嫌う」村上さんがどういう行動をするのか注目していましたが結局現地まで出掛けて受賞されました。

自分の信条に反するというメッセージを込めて賞を拒否する著名人ももちろん居て、それはそれで効果はあるのでしょうが今回のスピーチの内容を読むと文学を志す芸術家らしく比喩を巧みに使い、ふだんあまり表に出ることを好まない村上さんが言わば敵地に乗り込んで本来不利であるはずの生の声で主張したことは、内容も含めて私はすばらしいなぁと思いました。あいまいではありますが、現地の新聞が書いているようにイスラエル(という国)は「壁」側と言っているのは明らかです。

「システム」と「個人のアイデンティティー」というのは昔から村上さんがテーマにしていますが、傑作「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で高い壁の中に暮らす主人公が壁の向こう側に行こうとするように、弱い卵でありながら村上さんもわたしたちも自由であるべきですよね~。

「作品の価値は読者の色々な意見の総体的なものの上にある」というような事を言い、批判も甘んじて受け入れる村上さん。今回のこういった言動への反論や同調する意見も、私たちはシステムから一方的に流される情報に惑わされずにパレスチナ問題を個人が深く考えるきっかけとしてとらえたいものです。

スピーチの結びの言葉、

“I am grateful to you, Israelis, for reading my books. I hope we are sharing something meaningful. You are the biggest reason why I am here.”

もちろん読者であるイスラエルの人も弱い卵であって、考えることによって価値あるものを共有しようとヒューマニズムを投げかけるところにも共感しました。

エルサレム・ポストの記事
受賞スピーチの翻訳のひとつ
受賞スピーチの動画 youtube
パレスチナの平和を考える会の村上春樹氏への公開書簡
甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 4:05:29
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2009年2月17日(火)

五木寛之さんと鳥越俊太郎さん


今日、ラジオを聴いていたら作家の五木寛之さんが出演されていました。

耳を傾けていたら、ふと「誰かのしゃべり方に似ているなぁ」と思い、よく考えてみたらジャーナリストの鳥越俊太郎さんだと気づき、ちょっと気になっていたのでさきほどウィキペディアで調べてみたらやはり同じ福岡県出身(しかも隣の市)でした。

お二人とも標準語を喋っているわけですが、なんとなくイントネーションで分かるんですねぇ。方言っていいなぁと思いました。

ちなみに川越も少しですけど確実に独特の方言が残っています。妻が東京出身なので結構気づくことが多いらしく、たまにそのことが話題になるのですが面白いですね。この日記でも今度その事に触れてみたいと思います。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 2:06:43
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2009年2月15日(日)

いまさらスカイプ初体験


先日購入したPCにウェブカメラが付いているので、ふとスカイプでも体験してみようかなと思いつき、早速ダウンロードしてみました。

カメラは付いているものの、考えてみればマイクが無いことに気づき、ふと昔、楽器の演奏のテープ録音に使用していた集音マイクがあったことを思い出し、繋いでみたらちゃんと作動しました。
(→追記:その後よ~く見てみたらマイクもPC内蔵でした。使う目的を考えたら当然かもしれないですね。。マヌケでした)

九州に日ごろから家族ぐるみの付き合いをしている知り合いが居るので、とりあえずアドレスを入力してあとで時間を合わせて子供同士で話でもさせようと思い、なんとなく発信してみたところ夜中の1時過ぎだったのですが、いきなり会話ができました。聞いてみればいつも仕事でスカイプを使用して音声チャットによる会議をしてるとか・・。PCを立ち上げているときはいつもスカイプが立ち上がっている設定だったんです。

ちょっとした思いつきから人生初めてのテレビ電話体験だったのですが、音声はすごくクリアですし、なんといっても基本的に無料。まったく便利な世の中ですね~。

Skype公式サイト
甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 22:46:52
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かつお節削りの思い出


先日、テレビ番組で今ではすっかり見かけなくなった鰹節(本枯節)の生産の模様をやっていました。

子供の頃によく味噌汁のだし用に母親が鰹節を削るのを手伝わされました。
カンナを逆さにしたようなあの専用の鰹節削り器で削るのですが、これが難しい。。

母親が削るとシュッ、シュッとよい音をたててうす~く長い削り節が出来るのですが、子供のわたしがマネしても短いのしか削れません。色々考えて硬い鰹節を慎重に刃にあてて何度挑戦しても、フタをあけて見ると粉のような削り節しか出来ずガックリの繰り返し。

今考えると、大人のマネをしたくて、つま先に力をこめて思いっきり背伸びをしても全くどうにもならない、言わば子供にとっての「オトナの象徴」のひとつだったような気がするのですが、結局うまく削れないままオトナになってしまいました(笑

今削ってみたら果たしてうまく削れるんでしょうか?本当にオトナになっているのかなぁ。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 1:51:21
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2009年2月6日(金)

アナリスト?


新生銀行のサイトに興味深いページがあります。

為替の専門家6名が2005年の時点で5年後の2010年のドル円相場を予測するという企画です。

それぞれもっともらしい理由と予想値が載っているのですが、所詮は外貨預金の商品を買ってもらおうというのが狙いですから円高、円安基調両方ともバランスがとられています。本当に6人だけに聞いたのかなあと疑うほどです。

それでも現在の対ドル相場は1$約89円。まだ2009年ですが実際は誰の予想よりもかけ離れて円高に進んでいます。結果論でものを言うのは簡単ですし、「マーケットは誰にも予測不可能」というのもあたりまえ。注目すべきはアナリストの言っている内容です。

100年に一度の不況到来といわれる昨今、日本の経済を苦しめるこの円高も元凶はアメリカ発のサブプライムローンの破綻であるいうのは周知の事実です。2005年の時点ですでに米国は中古住宅価格の上昇というだけでこの極めて信用度の低い債権をなんと再証券化して金融商品として売っていたはず。それがいったん信用不安に陥ればどういう経過をたどるかは似たような金融危機を経験している日本人ならよく分かると思うのですが、この新生銀行にかかわらず、たとえ”2本立て”でも良いからそのような予測をしているアナリストがいたのでしょうか?

「米国にはこのような一歩間違えれば世界経済にまで影響を与えるような信用性の低い金融商品があって、これが不良債権化するようなことがあれば深刻な金融危機に陥り、ドルの信用は落ち円高基調が進む可能性がある」

と、サブシナリオでもいいですから言えてこそ「アナリスト」ですよね~。

→新生銀行「2010年の米ドル相場を予測する」
甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 2:34:49
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2009年2月2日(月)

USB端子付きレコードプレーヤー


先日、家電売り場をのぞいていたら、レコードプレーヤーを発見しました。

むかし熱心にレコードを集めたものの、すっかり箪笥の肥やしとなってしまったLP盤をなかなか聴くことができない人はたくさんいますよね~。私もその一人です。

そんな人向けに細々とアナログプレーヤーを販売し続けていることは知っていたのですが、今の製品はUSB端子が付いているとは知りませんでした。

考えてみればこれだけMP3プレーヤーが普及していれば付いて当然なのですが、絵的にアナログプレーヤーの前面にUSB端子が付いているという構図は、むかしレコードをクリーナーできれいに拭いて、震える手で慎重に溝に針を落とし、たまに33回転と45回転を間違えたりしていた世代にはなかなかピンとこないはずです。

パソコンに取り入れてから圧縮ファイルにエンコードするタイプから始まったみたいですが、いまでは直接USBメモリ等を差して圧縮できるモデルもあるようなので、これなら気軽に昔のレコードをデジタル化できますよね。

売れているかどうか知りませんが、私にはちょっとコロンブスの卵的な商品に見えました。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 22:51:38
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