母べえ
封切られて間もない話題作、「母べえ」を観に行きました。
泣ける映画というのは聞いていたので、ある程度覚悟はしていたのですが、始まってまもなくジワジワと目が潤いはじめて、いったい見終わるまでに何ccの涙をこぼしたのか分からないくらいでした。
山田洋次監督の作品だからか、観に来ている人も比較的年配の方が多かったのですが、同時代を生きてきた人にはたまらない映画だったのではないでしょうか。途中でも、周りから物語の内容にしきりと同意したり、中には嗚咽とも聴こえるような声でうなずく人もいて、それぞれにきっと「母べえ」がいらっしゃったのだろうなあと思いました。
それにしてもこの反戦、平和へのメッセージ。戦争を扱っているのにドンパチはやらずとも、だからこそ余計に失うものの大きさや、その大切さが伝わってきました。
うがった見方かもしれませんが、悲惨な時代だったからこそより結びつきの強かった家族やご近所をはじめとした周りとの絆。振り返って平和といわれる私たちの暮らしている現代の殺伐とした空気感。
商売柄、お客様とのやりとりで温かいお付き合いはさせていただいているものの、せめて家族の絆はより強固なものにしたいなぁと妻と話しながら帰ってきました。