雨風食堂日記【甘味処 川越 あかりや店主の日々雑感】

2007年1月29日(月)

グレート・ギャツビー


休みの間に村上春樹さんが新訳したスコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」を読みました。

自身の本を出せばすぐベストセラー、評論家曰く「夏目漱石以降、もっとも重要な作家」とされる村上さんが一番影響されたという米国文学作品の翻訳モノです。

内容は、1920年代のアメリカ上流階級におけるギャツビーというひとりの男の恋愛にまつわる悲劇を、とりまく人間とともに情景豊かに描いた作品なのですが、わたしには一読ではあまりピンとくる作品ではありませんでした。

あえて今の時代に読むにはストーリーが単純だとか、主人公が追い求める女性にそれほどの魅力を感じない・・といったことを書くつもりはないのですが、村上さんが指摘するこの作品のスゴいところ「すべての情念や感情がきわめて精緻に、そして多義的に言語化された文学作品」(あとがきより)とはあまり思えませんでした。

私は子供のころから、海外のミステリー小説が大好きで今までにかなりの数の翻訳モノを読んだのですが、子供心にも「こんな言い方はしないよなぁ~」と首をかしげる表現にぶつかることがたまにあり、中には翻訳の不出来によって作品自体の魅力が半減しているモノもありました。

村上さんもあとがきに、「賞味期限のない文学作品は数多いが、賞味期限のない翻訳というのはまず存在しない」とか、結局のところ英語で書かれたこういった精緻な文章は英語で一行一行丁寧に読んでいかないとその素晴らしさが十分に理解できない、と他国語に置き換えることによって失われる作品の風味の劣化について、翻訳の限界という形で書かれています。またそれ以上にこの美しい文体についていくのにはかなりの読み手でないと(英語が多少読めるというだけではない)むずかしいだろうとまでおっしゃっています。それなら翻訳するなって(笑

それでも冒頭から引き込まれるような名文から(村上さんの「風の歌を聴け」を思い出しました)読み終えるまで、はてなと首をかしげるような表現は皆無でしたし、情景がすぅーっと入ってくるあたりは、精緻さはべつとして翻訳として十分すばらしいと思います。わたしはまだ読みが浅いのでしょう。

これから読む方にはストーリーではなく文章を楽しむ小説だということをお伝えしたいと思います。

甘味処 川越 あかりや

 

 

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2007年1月27日(土)

週刊・女性自身に紹介していただきました。


L0001165.jpg今日は連休明けで久しぶりの営業だったのですが、そんなかたちでお店を開けても、いつものように足を運んでくださるお客様に大変有難いことだなあとつくづく思いました。

さて、今週の23日(火)に発売された週刊・女性自身の巻頭のカラー特集「HOTスイーツ極上!45」にな、なんと雨風食堂のおしるこを紹介していただきました。

全国の名立たる名店の中でひときわ輝く逸品!と言いたいところですが、じつにフツーに載せていただきました。当店のは、お取り寄せスイーツのひとつとしてラインナップされてます。もし書店で見かけましたらちょっとのぞいてみてください。(あっ、買ってくださいでした、ごめんなさい光文社さん)

しかし、この出版不況の中、週刊誌で55万部発行だそうです。スゴいですね~、女性誌。

→あんみつ・おしるこの宅配ページ
甘味処 川越 あかりや

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2007年1月25日(木)

ザ・ノンフィクション【金より情けの葬儀屋物語】


月曜から遅めのお正月休みをいただいています。

ちょっと旅行に出ているのですが、ここぞとばかりにツン読状態の本を読んで、溜まっていながらなかなか見られないビデオを消化しています。

ビデオは前から大好きなドキュメンタリー番組の「ザ・ノンフィクション」の溜まった分をまとめて見ています。
フジテレビさんは「あるある大事典」の納豆やらせ問題で大変ですが、この「ザ・ノンフィクション」を放映しているだけで十分、存在価値があります(笑。 それだけ面白い番組です。

昨年末に放映した、【金より情けの葬儀屋物語】。ご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?
東京の江戸川区にある、家族4人で営んでいる京葉葬儀社という小さな葬儀社なのですが、格安の料金を設定しているせいで訳ありの葬儀が多く、料金回収もままならない経営なのですが、息子さん2人が、心臓病と糖尿病を患いながらも必死に良心的な経営をしてがんばる両親を支えながら生活をしている感動的な話でした。

世知辛い世の中ですが、仕事のしかも他人の葬儀に涙が流せる葬儀屋さんもめずらしいですねー。
2人の息子さんもどうしたらこんなに家族思いの子供に育つのかなあと驚くくらい献身的で、それでいながら恋人との結婚観で悩んだり、いつもながら丁寧に追ったドキュメンタリーでした。

ちなみにこの回の放映は反響が大きかったらしく、ウェブ上で話題になっています。→ザ・ノンフィクションのHP
もっと葬儀の依頼が増えて、ちゃんと料金を払ってくれることを願わずにはいられません。

しかし、こういった家族の本当の濃密な結びつきって、経済的な貧困がないと生まれないものなのでしょうか。
いつもながら考えさせられる番組です。

京葉葬儀社の問い合わせ先:
江戸川区興宮町1-5
03-5607-4231

甘味処 川越 あかりや

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2007年1月22日(月)

「拝啓、父上様」と「愚者の旅」


テレビは好きなのですが、時間もないし、あまり興味がないのでふだんはドラマを見ないものの、脚本が倉本聰さんと知ると見ないわけにはいきません。

先週始まったばかりのテレビドラマ「拝啓、父上様」です。

さすが倉本さんという感じで、丁寧に作られている良質のドラマですねー。東京、神楽坂が舞台なのですが、 倉本組が撮ると街角のワンシーンも味わい深いです。私は写真が好きなのでドラマもカメラワークが結構気になるのですが、構図やライティングの妙、たとえば板場の忙しさを演出するのに、微妙にハンドで撮って画面をぶらしたり、主人公が一目惚れする女の子との初対面シーンで、町の特徴である坂を生かした憎い演出。あの真っ赤なリンゴが転がるところなんかは映像でないと生きない演出ですね~。

数年前に読んだ倉本さんの自伝的長編エッセーで「愚者の旅」という本があります。
東大生時代の演劇への傾倒、放送作家時代やテレビドラマを手がけるようになってからの裏話や北海道に移り住んでからの厳しい環境の中での富良野塾の話など、とても興味深い内容です。

ドラマを見ればよく分かりますが、言葉を大切にする姿勢はどうもそういった過去の濃密な体験から成るようです。自身も語っていますが、モノを創ること、感動すること、感動させることへのこだわりをもち、そのモチベーションを保ち続けているというのはすごい人だなあと思います。ファンおすすめの本です。

甘味処 川越 あかりや

 

 

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2007年1月17日(水)

カレーどころ あかりや?


nanban.jpg昨年末にはじめたカレー南蛮うどんがおかげさまで好評です。

年始の繁忙期がとくにスゴかったのですが、人出が落ちついてきた今もかなりオーダーいただいております。
召し上がられたお客様の器をかたずけていると、スープを残さない方も多く、きょうもひとりのお客様に”おいしかった~”と有難いお言葉をいただきました。店頭販売の商品もそうですが、その言葉でどれだけ日々の重労働の励みになるか。。まったく有難いかぎりです。

先日、日清食品の創業者が亡くなりましたが、ラーメンと同じくカレーも国民食ですよね~。
このままだとカレーどころ あかりやになってしまいそうです。
あっ、ちなみにお客様曰くカレー南蛮うどんの後のあんみつは口直しに絶妙とのことです(笑

甘味処 川越 あかりや

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2007年1月14日(日)

痛すぎるマイケル・ブレッカーの死


先ほど、テナーサックス奏者のマイケル・ブレッカーが亡くなったのを知りました。

わずか57歳、白血病で現代最高峰のテナーマンが逝ってしまいました。思えば、私にとってはジャズを好きになった入り口であり、ある意味で出口となったミュージシャンかもしれません。ジャンルを問わない数々のスタジオミュージシャンとしてのサポート、ステップス・(アヘッド)やブレッカー・ブラザーズなどでのカッコよすぎるスタイル。自身のソロを出してからの芸術性。NYと東京で彼のライブは何回か聴きに行っているのですが、忘れられないのは92年のブルーノート東京でのブレッカーブラザーズの復活公演です。何回もブルーノートには行っていますが、ジャズクラブで自然と観客が総立ちになったのはあの時だけです。あこがれて血迷い、私も2年ほどサックスを習っていたのですが、もちろん選んだのはテナーでした。おそらく、彼のジャンルを問わず、体裁を気にしない職人気質的な仕事から、芸術性を高め頂点まで登りつめたそのライフスタイルにかなり憧れているのだと思います。そして私は、その音楽の通俗的なものを超えた部分をよく理解できないまま、取り残されてしまった感じがしています。

どうもショックが大きくて話がまとまりませんが、友人のプロドラマーで専門誌にも寄稿している川口昌二いわくマイケル・ブレッカーとは、

●サックス奏者よりもインプロウ゛ァイザー(即興奏者)としてコルトレーン以降に最も影響力を与えたといえる。ビル・エバンス、ブランフォード・マルサリス、クリス・ポッター、マーク・ターナー、ジョシュア・レッドマン…(彼が居なければ)皆現在のようなスタイルを築けなかっただろう。
●単なるスタジオミュージシャンで終わるどころか大御所を横目に最先端でジャズ界を牽引する存在にまで上りつめた。同世代のスタジオミュージシャンあがりで彼程になったのは皆無。

という存在だそうです。今日はひさしぶりに昔のCDでも聴きながら一杯やりたいと思います。

   

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 22:29:22
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2007年1月12日(金)

メールソフトの共有化(一元化)


先日購入したLAN接続型ハードディスクを使用して、複数PCでのメールソフトの共有化(一元化)をしてみました。

通販の業務などをしていると特に感じるのですが、複数のPCでメールソフトを使用していると、このお客様にはどのようなメールをお出ししたかな~とか知りたくても「あっちのPCで送信したんだっけなあ」とか、「このあいだ作成したメールのテンプレートはあっちのPCだったよなあ」ということになりがちで、あまり効率的ではありませんでした。

そこでメールソフトの受信トレイや送信済みトレイやテンプレートをどのPCを立ち上げても同じ状況にできないかと考えました。ググってみたら同じことを考える方はやはり居て、LAN接続型のハードディスクを使用して可能なことが分かりました。ただ、メールソフトはmozillaの私が愛用しているサンダーバードを使用した方法です。アウトルック系は簡単には出来ないかもしれません。

方法としては、サンダーバードのソフト内のプロファイルと呼ばれる、メールデータやアカウントなどの個人情報を格納したファイルがあるのですが、これをLAN接続型のハードディスクの中に移動して、それぞれのPCのサンダーバードのプロファイルを参照するためのiniファイルをテキストエディタで書き換えるだけです。

プロファイルの場所や書き換え方はヘルプに詳しく載ってますので、そんな難しくはありません。サンダーバードは学習型スパムフィルタを搭載していて、とても快適に使用していたのですが、複数のPCで使用しているとスパムメールをそれぞれ指定するのですら面倒でした。

それぞれのPCでサンダーバードを立ち上げると、プロファイルデータを共有ドライブにアクセスするので、マシンスペックによっては、まったりするとは思いますが、一元化することによって管理しやすくなるメリットのほうが私には大きいです。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 2:40:51
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2007年1月10日(水)

進まない世界標準


新聞に私たちの生活に密着した先端技術の話がふたつ載ってました。
次世代DVDの規格とエコカーの話です。

前者は新聞のトップにも載ってましたが、韓国のLG電子が世界初のブルーレイディスクとHD-DVDの両方が使える機種を発表したこと、後者は米国の自動車ショーで米GMが家庭用の電源で6時間充電すると約60キロメートル走れる自動車を発表したことです。

次世代DVDの規格は大手メーカーがブルーレイディスクとHD-DVD方式に真っ二つに分かれてがっぷり四つに組み合ったまま発売されたものの、消費者の様子見気分でなかなか売れずにいたところを韓国のメーカーが風穴をあける形になったわけです。おそらく両方のパテント料を支払うので価格的な壁があるのではないかと思うのですが、追従するメーカーが増えれば一気にこの方式は主流になる可能性が高いですね。

エコカーの方は米国メーカーが小型車と燃料電池車のイメージでとうとうトヨタに生産量世界一の座を奪われてしまったばかりで、いまさらエコカーかいなといった感じもしますが、家庭用の電源で通勤に十分使えるくらいの距離が走れるというのは、売り込み方としてはインパクトがあり、とうもろこしやサトウキビから作られるエタノール燃料でも走れるとのことです 😯

クルマもDVDも面白いのは先端技術の世界標準がなかなか決まらないことです。メーカー主導ではなく、結局は消費者が選ぶという構図に、時間はかかるけどその分、製品は成熟度を増してよいモノができるという、まったく正当な競争をしてるなあ~といつも感心してます。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 11:29:25
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2007年1月9日(火)

LAN接続型ハードディスク


昨年末にLAN接続型のハードディスクを購入しました。

雨風食堂では食堂内有線LANを構築していて(笑、LAN接続のポートを4箇所設置しています。主に日々のハードな肉体労働をしながら、ネットで情報を得たり、経理仕事をしたり、POPを作成したりという作業をなるべく楽にできるように、厨房や店先、事務机などにポートを設置してネットワークを組んでいます。

しかしながら、例えばHPの更新作業をしようとすると、「あの写真はどっちのパソコンにあったっけなあ」とか、経理仕事をしながらプリントアウトするときにプリンタに接続したPC にデータを持っていったり(メールで送ることもありますが)とわずらわしいことが多いのが現状でした。ネットワークを組んでいれば共有ファイルにすればそれぞれからアクセスはできますが、PCを立ち上げておかなければならないのが最大のネックでした。

とくに面倒くさいのが、HPの更新で、複数のPCで更新をしている場合にそれぞれのPCのHTMLエディタでデータをサーバーからゲットしてから更新をしないと、データが古い情報に戻ってしまう恐れがあることです。これはサイトを運営している人ならよ~く分かる煩雑さではないかと思うのですが、これが解消しました。

どのPCからも同じデータにアクセスできるというのはホントに便利です。いまではウェブ上に無料のストレージなどもあるようですが、アクセスの速さやバックアップなどを考えると自前のHDDのほうが良いに決まっています。ちなみに私はバッファローの250GBのを購入したのですが、プリンタサーバーも付いていたり、(プリンターをつなぐとどのPCからも印刷できる)、さらに別のHDDがつなげて自動でバックアップもとれたりと、とてもスグレものです。

家庭内LAN を構築しているかた、ネットワークを組んでいたらこのタイプのHDDはぜひともおすすめです。
ちなみにこれも実現したかったのですが、メールソフトの複数PCでの共有化。これについてはまた次に書きたいと思います。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 3:19:38
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2007年1月7日(日)

恵方巻き(節分の太巻き寿司)のご予約承ります。


年が明けたと思ったらもう節分の話で恐縮ですが、今年も恵方巻きのご予約を承ります。
ネットでのご予約は昨年より始めたのですが、アクセスが一日に1500くらいあり(注文数ではないですぅ~泣)、関心の高さに驚きました。

雨風食堂では一年中、太巻き寿司は販売しているので素材にはこだわっています。お米は鮮度の良いコシヒカリ米を炊き上げ、海苔は国産の香りと歯切れの良いものを使っています。たまに、食べると噛み切れないような硬~い海苔がありますが、あれって嫌ですよねー。

それから細かいことですが、干ぴょうは栃木産の国産高級品を煮ています。これも中国産が主流になってきていますが、柔らかさと風味が違うので替えられません。それとふっくら焼き上げた自家製の厚焼き玉子。素朴な具材ですが、基本はしっかりとおさえています。

どうせまるごと頬ばるのなら、おいしいモノを! ネットでも簡単にご予約いただけます。
あっ、肝心の今年の方角ですが、北北西だそうです。なんだかヒッチコックの映画みたいですねぇ~

ehoumaki.jpg

→恵方巻きのご予約ページ 

甘味処 川越 あかりや

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