雨風食堂日記【甘味処 川越 あかりや店主の日々雑感】

2006年11月30日(木)

東京ダモイ


鏑木蓮さんの第52回江戸川乱歩賞受賞作「東京ダモイ」を読みました。

ダモイとはあちらの言葉で「帰還」という意味で、第二次大戦でシベリアに抑留され、捕虜収容所を拠点に過酷な労働を強いられた日本兵にまつわる殺人事件の話なのですが、その真相を60年後の現代で解き明かすというストーリーです。

わたしは個人的に江戸川乱歩賞受賞作というと、どうしても手が伸びてしまい、受賞作家は勝手にストーリーテラーだと期待してしまいがちなのですが、今回はちょっと小説の出来がいまいちでした。枚数の制限とかもあるので難しいところでしょうが、もっとシベリアの部分も深く描きこんで欲しいですし、そもそも主人公はだれなのかという大事なところがあいまいですし、小説として指し色になる日本人女性もどうも現代的ともいえない紋切り型でした。

ただ、シベリアの過酷な強制労働の話などは、ほとんど知識がなかったので衝撃でした。著者の参考文献からも分かるようにだいぶお調べになったのでしょうから、これをルポと思えば、知るべき内容だなあとも思いました。作中にやはり帰還者が昔の抑留のことを話したがらない場面があるのですが、「父親たちの星条旗」でもそうでしたが、本当に地獄を見た人間は忘れたいのだなあと再認識しました。

極限の寒さと餓えの中で草木もろくに育たないような不毛な土地での強制労働。いつダモイできるか分からない状況の中、仲間がひとりまたひとりと人間の尊厳を守られない中で死んでいく・・まったく、想像を絶する世界だったんでしょうねー。

甘味処 川越 あかりや

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32年ぶりの再会


火曜日のことですが、雨風食堂に私の小学校時代の恩師(女性です)が食べに来てくださいました。

他にも何人か小学校時代の先生はよく来店いただいているのですが、この恩師はなんと32年ぶりの再会です:!:正直言って私は存在感のない生徒でしたから、恐らく先生もうろ覚えだったのでしょうけど、教え子というのは認識していてくださったようで、昔ばなしに花が咲きました。

自分の生まれ育ったところで商売をするということは、いろんな意味で少しの緊張感があるのですが、昔からの知り合いやお世話になった方々と疎遠にならずに、挨拶や他愛のない話ができるのはつくづく幸せだなあと感じます。

親と子供の関係もそうですが、先生と生徒というのもいくつになっても先生と生徒なんですよねぇ。

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2006年11月26日(日)

フィリップ・ノワレさんも逝く


また、訃報ネタになっていまいますが、フィリップ・ノワレさんも亡くなったんですねー。

誰だろう?という方もあのイタリア映画の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」の映写技師役といえばピンとくるのでは・・。

たぶん、同じ意見の人は多いと思いますが、わたしも好きな映画を10本挙げろといわれれば、その中には必ず入れると思うほどこの映画は好きで、シネスイッチで初めて観て以来、自分用のビデオをわざわざ作って何年かおきに定期的に観ています。

ノスタルジー、淡く苦い恋の思い出、若いころの挫折、 だれでも経験するような普遍的なテーマですが、映画の中で映画への情熱を通してこれらを表現するという、とてもよく出来た脚本だなあといつも感心します。何回も観ているとこの名画が名画といわれる所以を細かい演出などにいくつも見つけることができますが、この映写技師役のノワレさんの配役もかなりの重要な要素ではないでしょうか。恐らく、他の配役の誰よりも、他人では代えられない渋い味を出していると思います。

主人公が映写技師から聴く、99日間、バルコニーの下で恋する王女を待つ兵士のおとぎ話のくだり、なぜ兵士はあと一日待てなかったのか、いろんな方がそれぞれの解釈をしてますが、みなさんはどうお考えですかー?

まだ観ていないかたには、これもお約束ですが2時間版(完全版ではない方)をお勧めします。
実らないほうが、逢えなかったほうが、美しい想い出ってことですよねぇ 😉

甘味処 川越 あかりや

 

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2006年11月25日(土)

トップページのflash変えました。


kouyou.jpgちょっとあんみつの写真が寒々しくなってきたので、トップページのflashをいじりました。

なんだか餅の写真だらけのページになってしまいましたが、餅屋なんだから、まあいいかっ。 😉
でも、ホント、今年は早くからお餅のご注文を各地よりいただいて有難いです。

川越散策に行こう!のほうも相変わらず、安定したアクセスをいただいて、このところ観光のお客様の数は落ち着いてきたものの、それでもHPをご覧になって来店されるお客様が多く、”地図、便利でした~”とか言われると、こころの中にポッと暖かい灯がともる単純な店主です。

喜多院の紅葉、まさに今見ごろを迎えてますよ♪川越散策に行こう!

甘味処 川越 あかりや

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2006年11月23日(木)

灰谷健次郎さん逝く


さっき、ネットで児童文学作家の灰谷健次郎さんが亡くなったというニュースを見ました。

昔、代表作の「兎の眼」を読んだときにはえらく感動した憶えがあるのですが、子供の頃の話なので今読み返すとどうだかわかりません。ただ、この人の作品は根底にいつも優しさがあったような気がします。

たまに作品以外でも教育問題などでメッセージを発していらっしゃいましたが、印象深いのが、もう10年くらい前になりますが、フォーカス(写真週刊誌)で神戸の児童殺傷事件の犯人の少年の写真を掲載したことに抗議して、新潮社の自分の作品をすべて引き揚げたことです。社会問題に対して、いろんなことを言う人がいますが、自分の主張(抗議)に対してそこまでできる人はなかなかいません。

灰谷さんの作品は文学論として賛否両論あるようですが、子供が追い詰められて自殺する今の世の中にとって、この人の死は大きな痛手だと思います。ご冥福をお祈りします。

  


甘味処 川越 あかりや

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2006年11月20日(月)

あわ餅 ♪ですよ。


日曜日は氷雨で雨風食堂もほとんど暇でした。

お菓子関係の仕込みも今日は休んで、なかなかこういう日もないのですが、今年もあわ餅を始めたので、午後はフォトショップでメニューの修正をしてました。このあわ餅、とてもファンの方が多く、通販でも好評なんです。もちろん、店内でもおしるこやぜんざいで召し上がれます。

前の日にテレビのエンタの神様で、ピン芸人の”ですよ。”を見て、子供がマネしてるので、なんだか一日中あたまの中をあやまラッパーのフレーズが回ってました 😀

つまらない話で、あ~い、とぅいまてぇ~ん!

甘味処 川越 あかりや

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2006年11月18日(土)

拡張型心筋症に苦しむ川越の朱里ちゃんを救う会


以前に”チームバチスタの栄光”という本の感想で拡張型心筋症という心臓病のことを書きましたが、川越に今、わずか3歳でその病気に苦しんでいる朱里ちゃんという子がいます。海外での臓器移植でしか生存の望みがないということで、市内各地で募金活動がさかんに行われています。目標募金金額が1億円というのには驚きましたが、(そんなにかかるものなのかという意)、小さい体で補助人工心臓までつけて頑張っている朱里ちゃんを救うために、観光ページとこのブログにバナーを設けました。
賛同されるかた、ぜひ募金をお願いします。

だいぶ前になりますが、脚本家の倉本聡さんの対談で興味深い話がありました。住んでいる北海道の家の裏のゴミ置き場に毎夜テンとキツネが現われるそうで、いつも可愛がっていたそうなのですが、ある日その場所にウサギが来たそうです。そのとき考えたのが、ここでいつも可愛がっているキツネがそのウサギを襲おうとしたら自分はとっさにウサギを助けるんじゃないかと・・・。自然界の生態系からすると動物の世界は弱肉強食なわけで、キツネにとっては迷惑な話ですが、弱いものを助けようとするのは人間の本能でこれこそがヒューマニズムではないかというのです。

臓器移植の倫理的問題、また募金活動の功罪などは、多種多様な意見があってしかるべきだと思います。
ただ、私はこの話を聞いた時にわずかな金額でも朱里ちゃんの命が助かるのに役立てば、という気持ちで募金しました。

ホームページをご覧になって賛同される方、朱里ちゃんの病状は予断を許さないそうです。一刻も早く、温かい善意を届けましょう。

川越の朱里ちゃんを救う会

甘味処 川越 あかりや

 

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 1:16:26
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2006年11月15日(水)

お餅の宅配(通信販売)とご予約承ります!


杵つき餅世の中はまだ12月にもなっていないのに、クリスマスケーキだの、おせち料理だの気が早いな~なんて思っていたら、お客様から立て続けにお正月のお餅の問い合わせとご注文があり、ちょっとあせってご予約ページを昨年より早く開設してしまった単純な店主です。

でも、今年のもち米もホントとに出来がよく、毎朝搗いていて気持ちがいいです。
杵つきという文字はいろんなところで見ますが、油圧式の自動餅つき機の杵つきとは違い、当店は職人の手による返しの入る杵つきです。説明がむずかしいですが、ようするに人の手の感覚で微妙に搗き加減を調整しているわけです。

お餅の出来はもちろん原材料のもち米によって一番左右されますが、じつは単純作業に思える餅つきの段階で色々とノウハウがあるんです。

ある程度ここに書こうと思えば書けるんですが、これはもちろん秘密。
どうぞ”餅は餅屋”ということわざを実感してください!

お餅の宅配ページ
お正月のお餅ご予約ページ(来店のお客様)

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 23:50:35
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2006年11月14日(火)

筆の力


いじめによる子供の自殺が相次いでいますが、昔からいじめはあった、子供が弱くなったと切り捨てるのは簡単で、そういう子供を作り上げたのは他の誰でもない、今の社会なんですよね~。

今日の読売新聞の朝刊コラム”編集手帳”お読みになったでしょうか?

この現状からひとりでも多くの犠牲者を救いたい、そんな執念を限られたスペースでいかに効果的に伝えるか、ジャーナリストの筆力と力量を感じずにはいられません。まったく人様の文章ですが、ひとりでも多くの方の目に映るように恐縮ながら全文引用させていただきます。

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伊東柚月さんという方の詠んだ五行歌を頭でなぞっている。「いっそ/大きく凹(へこ)もう/いつか/多くを満たす/器になるのだ」◆草壁焔太(えんた)編「五行歌秀歌集1」(市井社)に収められた一首である。器を満たすものは涙かも知れない。涙の容器になることなど誰しも望みはしないが、凹みを知らない人間に比べてどれほど魅力的か◆一片の詩句を知ることで、気の持ちようで、死を決意させるほどの苦しみが薄らぐとは思わない。自分を励ますことに疲れ、いまこの瞬間にも力尽きそうな子供たちのひと粒の糧になればと、藁(わら)にもすがりつく心境でここに引いた◆人を自殺に追いやるほどのいじめは、ほとんど犯罪である。告発するのは少しも恥ずかしいことではない。凹みも深ければ器が割れる。割れる前に、涙の湖を語ってほしい◆もう1本の藁にすがる。「いじめっこが/いじめられっ子に/ひらあやまり/三十年ぶりの/同窓会」(清美)。昔よりも陰湿で残忍ないまのいじめにはそのまま通用しないとしても、「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない◆30年とは言わず、3年、いや1年、心の凹みを打ち明け、声を発して生きてごらんなさい。あの時、死ななくてよかったと思う瞬間が必ず訪れる。約束しよう。だからいま、死んではいけない。

(2006年11月14日付読売新聞”編集手帳”より全文引用)

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 14:41:09
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2006年11月11日(土)

プレイステーション3


ソニーのゲーム機、プレイステーション3が発売日前から行列ができて、売り切れたそうですねー。
当初は確か発売価格が6万円台で、ホントにそんな価格でいいのかなあ~と疑問に思っていたのですが、皆同じことを考えていたみたいで、4万円台まで下げたみたいですね。任天堂との攻防を考えての価格変更でしょうが、商品に圧倒的な魅力があって他社を寄せ付けない自信があれば値下げする必要がないわけですから、この4万円台という価格も任天堂の新機種(お得意のオトナも巻き込む戦略で2万円台というゲーム機)には戦々恐々でしょうし、ひょっとしたら据え置き型のゲーム機のシェアが大きく変わるかもしれないですね(まあ、ソフトの魅力も関係してくるので断言できませんが。。)

実は私もテレビゲームが大好きで、今でこそやる時間がなくて初代のプレイステーションはここ5年くらい押入れにしまってありますが、発売当初はハマってしまって、仕事をしていても早く自宅に帰りたくてしょうがない時期もありました 😉

特にもう10年くらい前になりますが、バイオハザードの第1作をプレイしたときの衝撃は今でも忘れられません。テレビゲームで怖さを感じたのは初めてでした。

それと、イギリスのゲームですが、トゥームレイダースという遺跡を謎解きをしながら攻略するアクションアドベンチャー系のゲームがあるのですが、これも独特の臨場感と難易度、洋ゲーならではの世界観にすっかり心酔してしまった憶えがあります。

両方とも続編が何作も出されて世界的なヒットになりましたが(両方とも映画まで作られましたよね)、いずれも面白みに欠けたと思います。それからいくつかのゲームをやりましたが、あの2作(の第1作)を超える面白いゲームは記憶にありません。まあ、もう6年近くテレビゲームをやっていないのですから、もっと面白いのもあるのでしょうが・・。

ということで、この2作品の面白さに共感いただける方、アドベンチャー系で何か良いゲームがあったらお教えいただけないでしょうか:lol:

やりたいことが多くてもなかなか時間がない毎日ですが、何も気にしなくてもよい環境ならば、思う存分ゲームにハマってみたいです。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 18:52:17
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