アナリスト?
新生銀行のサイトに興味深いページがあります。
為替の専門家6名が2005年の時点で5年後の2010年のドル円相場を予測するという企画です。
それぞれもっともらしい理由と予想値が載っているのですが、所詮は外貨預金の商品を買ってもらおうというのが狙いですから円高、円安基調両方ともバランスがとられています。本当に6人だけに聞いたのかなあと疑うほどです。
それでも現在の対ドル相場は1$約89円。まだ2009年ですが実際は誰の予想よりもかけ離れて円高に進んでいます。結果論でものを言うのは簡単ですし、「マーケットは誰にも予測不可能」というのもあたりまえ。注目すべきはアナリストの言っている内容です。
100年に一度の不況到来といわれる昨今、日本の経済を苦しめるこの円高も元凶はアメリカ発のサブプライムローンの破綻であるいうのは周知の事実です。2005年の時点ですでに米国は中古住宅価格の上昇というだけでこの極めて信用度の低い債権をなんと再証券化して金融商品として売っていたはず。それがいったん信用不安に陥ればどういう経過をたどるかは似たような金融危機を経験している日本人ならよく分かると思うのですが、この新生銀行にかかわらず、たとえ”2本立て”でも良いからそのような予測をしているアナリストがいたのでしょうか?
「米国にはこのような一歩間違えれば世界経済にまで影響を与えるような信用性の低い金融商品があって、これが不良債権化するようなことがあれば深刻な金融危機に陥り、ドルの信用は落ち円高基調が進む可能性がある」
と、サブシナリオでもいいですから言えてこそ「アナリスト」ですよね~。