沖で待つ
絲山秋子さんの沖で待つを読みました。
とても読みやすい文章で、作者が自分と同年代でしかも(私もそうだったのですが)メーカーの会社員だったらしいので、作中の描写の随所に懐かしさをおぼえました。そういえば、女性総合職がもてはやされた時代がありましたねー。
主人公の仕事仲間、”太っちゃん”も、実は私もサラリーマン時代に同期の同じような体型の友人を過労死で亡くしているので、久しぶりに彼のことを思い出しました。もう遠い記憶になりかかっていますが、仕事仲間って(とくに同期って)、いいですよね~。
絲山さんの作風は特に目新しいものがあるとは思いませんが、クールな感性でシンプルに時に辛辣に、時代を切り取っている感じがします。もうひとつの短編「勤労感謝の日」もおすすめです。