知的生産の技術
この間、テレビを見ていたら将棋の羽生善治さんが出ておられて、興味深い話をしていました。
将棋は何百通りという展開をいかに先を読めるかというのが勝負ですが、持ち時間がなくなり、時間内に指さなければならないときに、史上最強ではないかと噂される羽生さんでさえ、悩みに悩みぬいて最後は「えぇ~い、ここだ」と半ば投げやりに駒を指すときもあるというのです。
とはいっても、長年培ってきた経験値に基づく「投げやり」ですから、その正解率(勝率)はおよそ7割くらいだとか。。曰く、自身の著書の題名でもありますが、「決断力」が大事だというのです。
同時に、現在は情報過多の社会で、インターネットなどで個人はあらゆる情報を簡単に入手できますが、そういう技術よりも、情報を吟味して経験に基づいて必要なときに大事な決断を下せることのほうがよほど大事だというのです。
確かに、わたしもここ数年よく思うのですが、インターネットの普及によってホントに簡単にいろんな情報を得られる時代になりましたが、実はそんなことは今はパソコンと検索エンジンがあれば誰でもできることで、大事なのは情報を得ることよりも、捨てること(取捨選択するという意)だなあと感じています。
昔、恩師に薦められて読んだ梅棹 忠夫さんのベストセラーで「知的生産の技術」という本があるのですが、もうかなり昔の本でインターネットの無かった時代ですが、情報の整理・活用の仕方を論じている素晴らしい内容で、影響をうけたのを思い出しました。
昔に比べれば、目にする情報はたくさん溢れています。それでも整理・吟味・活用が大事なのはいつの時代でも同じ。くれぐれも埋もれないようにしたいなあと思います。