グラン・トリノ
なんか映画のレビューばっかりの日記になってしまいますが、クリント・イーストウッド監督・主演の映画「グラン・トリノ」を観に行ってきました。
このあいだ、「チェンジリング」を観たばかりなのですが、こうして短期間にイーストウッド監督作品を2本観られるなんてなんと幸せなことでしょう。この映画「グラン・トリノ」も彼らしいセンスの良いメッセージ性のある映画でした。
クリント扮する主人公は帰還兵で、長年フォードの工場ラインで働いてきた、自分で自宅の修繕をし、愛妻家であり、星条旗を掲げる「古き良きアメリカ時代」の頑固オヤジ。妻の死後、隣家に越してきたアジア系移民やその子供たちとトラブルを共有しつつ、日本車メーカーに勤める冷めた関係の息子たちよりも温かく人間的な関係を築き上げていくというストーリー。
単純な展開ですが、その裏に秘めた強いメッセージ性。戦争とはいえ、罪を犯したものが抱え、追い詰められる積年の負の意識。暴力は暴力では解決しないということ。現在アメリカはオバマ政権になって中東問題への政策も見直しの方向にありますが、この映画の他民族の描き方、結末への導き方などは、以前にも書きましたが彼が基本的にリベラルな人だということがうかがえる内容でした。
それにしても音楽やエンドロールひとつとっても味わいのあるセンス良い作品。もう78歳と高齢ですが、できるだけ多くの作品を作ってもらいたいです。主人公の設定もそうですが、近くにこんなじいさんが居たらなぁ。いや、こんなじいさんになれたらなぁ。