マグロと地球温暖化
読売新聞の連載コラム「時代の証言者」。
今は寿司職人の小野二郎さん(すきや橋次郎)が書かれているのですが、昨今のマグロについて面白いことを言われてました。
価格的にもべらぼうに高くなったマグロにはがゆさを感じていらっしゃるのですが、昔のマグロに比べて脂が薄く、香りがなく、味の質が落ちているというのです。曰く、
「普通なら仕入れて5~7日程度氷にくるんで熟成させると、全体に脂がなじんでしっとり軟らかくなるもんですよ。でもいくら寝かせてもゴリゴリして硬いのが多い。温暖化の影響でしょうね。海が冷たくならないからマグロも薄着になって、脂をまとう必要がない。太らないで背ばかり伸びちゃうから、やたら筋肉質になっちゃうんです。」
長年、握り続けている人の言葉ですから、実感なんでしょうね。中国や台湾などの需要増加から品薄への話はよくありますが、そもそも味の質が落ちているなんて、しかもそれが温暖化とかかわっているとは知りませんでした。