チョロギなヤツ
いったい、どれだけの人がヤツの名を知っているのだろう。
ふだんは人目に触れず、年末のこの時期になるとひっそりとその存在感を示し始める。
よく見ればその独特な形からそれだけで異彩を放っているくせに、さながらこの時期を自分の出番と心得てか、真っ赤な衣を着てやってくる。
その名はチョロギ。そう、あの正月料理の雄、黒豆の煮物に添えられているヤツだ。
丁呂木、たまに朝露葱なんて気取って呼ばれるが、あいつはチョロギでいい。
決して目立たない。見かけもよくない。だけどいないと場が成り立たない。しまらない。名脇役。必要なスパイス。
チョロギなヤツ。
そんな人間にわたしは成りたい 🙂