痛すぎるマイケル・ブレッカーの死
先ほど、テナーサックス奏者のマイケル・ブレッカーが亡くなったのを知りました。
わずか57歳、白血病で現代最高峰のテナーマンが逝ってしまいました。思えば、私にとってはジャズを好きになった入り口であり、ある意味で出口となったミュージシャンかもしれません。ジャンルを問わない数々のスタジオミュージシャンとしてのサポート、ステップス・(アヘッド)やブレッカー・ブラザーズなどでのカッコよすぎるスタイル。自身のソロを出してからの芸術性。NYと東京で彼のライブは何回か聴きに行っているのですが、忘れられないのは92年のブルーノート東京でのブレッカーブラザーズの復活公演です。何回もブルーノートには行っていますが、ジャズクラブで自然と観客が総立ちになったのはあの時だけです。あこがれて血迷い、私も2年ほどサックスを習っていたのですが、もちろん選んだのはテナーでした。おそらく、彼のジャンルを問わず、体裁を気にしない職人気質的な仕事から、芸術性を高め頂点まで登りつめたそのライフスタイルにかなり憧れているのだと思います。そして私は、その音楽の通俗的なものを超えた部分をよく理解できないまま、取り残されてしまった感じがしています。
どうもショックが大きくて話がまとまりませんが、友人のプロドラマーで専門誌にも寄稿している川口昌二いわくマイケル・ブレッカーとは、
●サックス奏者よりもインプロウ゛ァイザー(即興奏者)としてコルトレーン以降に最も影響力を与えたといえる。ビル・エバンス、ブランフォード・マルサリス、クリス・ポッター、マーク・ターナー、ジョシュア・レッドマン…(彼が居なければ)皆現在のようなスタイルを築けなかっただろう。
●単なるスタジオミュージシャンで終わるどころか大御所を横目に最先端でジャズ界を牽引する存在にまで上りつめた。同世代のスタジオミュージシャンあがりで彼程になったのは皆無。
という存在だそうです。今日はひさしぶりに昔のCDでも聴きながら一杯やりたいと思います。