灰谷健次郎さん逝く
さっき、ネットで児童文学作家の灰谷健次郎さんが亡くなったというニュースを見ました。
昔、代表作の「兎の眼」を読んだときにはえらく感動した憶えがあるのですが、子供の頃の話なので今読み返すとどうだかわかりません。ただ、この人の作品は根底にいつも優しさがあったような気がします。
たまに作品以外でも教育問題などでメッセージを発していらっしゃいましたが、印象深いのが、もう10年くらい前になりますが、フォーカス(写真週刊誌)で神戸の児童殺傷事件の犯人の少年の写真を掲載したことに抗議して、新潮社の自分の作品をすべて引き揚げたことです。社会問題に対して、いろんなことを言う人がいますが、自分の主張(抗議)に対してそこまでできる人はなかなかいません。
灰谷さんの作品は文学論として賛否両論あるようですが、子供が追い詰められて自殺する今の世の中にとって、この人の死は大きな痛手だと思います。ご冥福をお祈りします。