天使のナイフ
薬丸岳さんの昨年の江戸川乱歩賞受賞作天使のナイフを読みました。
少年犯罪の更生と贖罪をテーマにしたミステリーなのですが、なかなか良かったです。埼玉県の南部周辺が舞台で川越もでてくるんですよねー。
数年前の高野和明さんの「13階段」も同じようなテーマだったなあと思ったら、あの作品にだいぶ影響を受けたようなことがどこかのサイトで書かれてました。
最後はすこし話をこねくり回しすぎかなあとも思いましたが、執筆するために仕事をやめて二年くらいかけたというだけあって、何回もプロットを練り直したんだろうなあという作品に対する情熱を感じました。熟練作家の無駄のない筆致もいいですが、読み手側にこういう情熱を感じさせるってのは大事ですよねぇ。
自分の考えを小説で表現できて、しかも低俗ではない良質のミステリーに仕上げることができるってすごいです。